ネットワーク分析会社Opensignal社のレポートから見えてくる大手携帯キャリアの通信品質をポイントを絞ってまとめました。
Opensignal社のレポート結果は複数の大手通信キャリアの広告で使われており、業界では注目されているレポートです。
モバイル・ネットワーク・ユーザー体感レポート(2024年10月)
KDDIが全18部門のうち13部門で1位を獲得し、国内MNOで最多受賞となったことから大々的にアピールをしています。
受賞数だけではなく内容に着目してレポートを見ていくと通信キャリア毎のネットワークの強みが見えてくるので、一般的な利用者の目線で繋がりやすさ・快適性を測る上で特に注目したい5つの指標に絞って見ていきましょう。
- ダウンロード・スピード・エクスペリエンス
- アップロード・スピード・エクスペリエンス
- カバレッジ・エクスペリエンス
- 利用率(Availability)
- 一貫した品質(コンシステント・クオリティ)
ダウンロード・スピード・エクスペリエンス
多くの利用シーンではインターネットから動画・画像などのデータをダウンロードする使い方が中心となるため、ダウンロード速度が快適性を感じるために重要な指標になります。
HD再生で2.5〜5Mbps、4K再生で20Mbps程度のダウンロード速度が出ていると良いとされているため、どの通信キャリアの回線を使っても平均的には十二分に快適な通信速度が期待できると言えるでしょう。
ただし、通信キャリアによって通信速度が出る場所・出ない場所が異なってくるため、生活圏内で快適に使えるかが大切になってくるでしょう。
アップロード・スピード・エクスペリエンス
一般的にはダウンロード通信の方が多く発生しているため、ダウンロード速度と比べると注目されにくい指標となりますが、動画などの大容量データのアップロードを頻繁に利用する利用者には大切な指標となるでしょう。
アップロード速度は楽天モバイルが他社の他社の2倍の速さとなっており、大容量データのアップロードをする利用者に適していると言えるでしょう。
カバレッジ・エクスペリエンス
カバレッジはNTTドコモが差をつけているトップに君臨しています。
都心部などの利用者の多い場所で通信速度が遅くなる「パケ詰まり」と呼ばれる現象が起こり、SNSなどでも繋がりにくいとの声が多く上がっているが、他社が使えないような郊外でもNTTドコモなら使えると言ったところも多いと言えるでしょう。
利用率(Availability)
3G、4G、5G接続を行なっていた時間の割合です。
カバレッジと同じくNTTドコモ、KDDIの利用率が高い結果となっています。
この結果からも他社が使えないような場所でも使える可能性が高いことが言えるでしょう。
一貫した品質(コンシステント・クオリティ)
一般的なモバイルアプリを使うのに十分なレベルであるかを測定するため、様々な指標を組み合わせて計算された評価とのことです。
一貫した品質としては、KDDIが1.5ポイントの差をつけてトップ、ついでソフトバンク、そこから2ポイント以上の差をつけられ楽天モバイル、NTTドコモが続く形となっています。
このあたりが影響してNTTドコモ・楽天モバイルに繋がりにくいという印象がついていると考えられます。
まとめ
NTTドコモは利用者の少ない場所も含めて他社よりも広くネットワークの整備がされているものの、都市部などの利用者の多い場所では他社より通信品質が低いことが容易に想像できる。
KDDIも比較的広いネットワークの整備が整備されており、都市部などの利用者の多い場所でも他社よりも安定した通信品質が提供されていると考えられる。
ソフトバンクは利用者の多い場所では高水準な通信品質が期待できるが、NTTドコモ・KDDIと比べると利用者の少ない場所のカバレッジに弱みがあると考えられる。
楽天モバイルはアップロード速度で他社より優位性を持っているが、エリアの広さや通信の快適性はまだ伸び代がかなり残っていると思われる。
ネットワーク分析レポートからも最近のSNSでよく見かける口コミと近い傾向が見えると言えるのではないだろうか。
ネットワーク品質は場所により大きく異なるため、実際の利用場所ではレポートの傾向と大きく異なる体感になることもあるため注意が必要だ。
通信品質への不満や料金プランの見直しをしたい場合は、新規契約や乗り換え(MNP)のハードルも以前より下がっているため、まずは試してみるという気持ちで新しい通信キャリアの契約をして、普段使う場所での通信品質、料金と通信品質に納得感があるか、を体感してみると良いだろう。